梓川〜犀川カヌーツーリング (2000年8月15日)

あずさがわ
さいがわ
長野県松本市〜豊科町
信濃川が長野県に入って千曲川と呼ばれ、その支流の犀川、さらにその支流の梓川。
流域人口密度 246人/平方キロ(信濃川水系)
リアルタイム水位 熊倉(梓川・犀川の合流点)
駐車場 START 堤防の隅に
GOAL 交通量のない堤防道路に停めたと思う
トイレ ないかな。
買い出し R19沿いになんかあると思う
温泉 遊湧自然館さざなみ(400円) 露天風呂ナシ
長峰荘(400円)
ひとこと 上高地から流れてくることに思いをはせながら漕ぐと気持ちいいかも。
犀川に出てからは、水量不足に悩まされることは100%ない。
 
中央橋〜田沢橋 9.6km 6.8‰

 梓川は、カヌーを始めて間もない頃に、ソロで一度挑戦したことがある。このときには、現れた堰に気付かず、堰下に転落してしまい、ツーリングはそこまでで断念したのだ。この堰は、落差50cmほどしかないのだが、水の勢いにより、堰の落ち込み部分から全く離れることができず、10分近くも同じところでもがいていたのだ。初めて川の怖さを体験した事件であった。だから、今回はそのリベンジになる。今回もソロ。

 スタートは、中央橋の左岸上流とした。堤防の隅に車を置いて、準備を進める。梓川は、上高地から流れてくる川であり、前日に漕いだ万水川より幾分水温が低いようだ。昨日沈して自信をなくしていることもあるし、念のためロングジョンも着込んだ。
 いざスタート、となると、自分が怖じ気づいているのが分かる。自分の技量の低さと、堰から落ちた経験のせいである。しかし、長野で遊べるのは、今日で最後ということもあり、自分を奮い立たせて、出発。

 中央橋〜梓橋間は、ツーリングガイドにない区間であったが、堤防道路から下見を済ませていたので、恐怖心はない。数百メートル間隔で適度な瀬が現れ、水量もあるし、軽快だ。水質は、上・中・下でいえば、上か中という程度。上高地からの流れとはいえ、特別にキレイというわけではなさそうだ。JRの鉄橋をくぐったところに、古い橋脚が残っているが、川はその間を通っている杭 (12850 バイト)ので、邪魔にはならない。その直下の梓橋を通過すると、気を付けなければならない箇所がある。本流は、ざら瀬を通って右岸に寄っていくのだが、このとおり素直に行くと、杭が林立しており、ちょっとヤバいことになりそうなのだ。左写真は、下流側から見たところなのだが、左岸側の杭がない部分は、浅く、水が流れていないので、カヌーが杭に引っかかる可能性が高いのだ。したがって、ここは事前に艇から降り、ポーテージ。堰 (9518 バイト)

 この数キロ先に、以前落っこちたことがある堰が横たわっているのだ。慎重に水の音を気にしながら、ゆっくり進んでいった。ゆっくり進まなければならない理由は、他にもある。梓橋を越えてからというもの、川幅が広がってしまったせいなのか、水深がなく、頻繁に艇から降りて引っ張らなければならないのだ。正直、イヤになるほど。どういうわけか、この川のコケは非常に滑りやすい。むかし、同じく滑りやすいコケが生えていた魚野川で、足の爪を剥がしかけた記憶が蘇る。
ブロック堰.(11262 バイト) 右手に上信越道の梓川SAが見えたら、いよいよ問題の地点だ。均一にオーバーフローしているので、通常水量時は、そのまま漕いでいくと堰堤上で底が引っかかり、スピードが無くなり、そのうち横向きにされ、そのままドボン、というシナリオが浮かぶ。ここはカヌーを担ぐしかあるまい。
 さらに300m下流にも、堰がある。ここはブロックを積み重ねたもので、ここでも、カヌーを担いだ。

 この先も、相変わらず水量は少なく、艇を引きずる箇所があるが、技術的には、合流部までは問題ない。

合流手前 (9716 バイト) 合流部手前の右岸に、日陰を作っている木があり、この木陰で昼食とした。左写真はそこからのもので、突き当たりの右からは奈良井川が流れ込んでおり、梓川と合流して、「犀川」に名前を変えるのだ。

 犀川に出てからは、川幅がぐっと広がり、大河となる。直後に大きな中州があって、本流は右岸側へ寄っているのだが、ここで騙されてはいけない。そちらを行けば、30m幅を、端っこの5mに絞った箇所が出てきて、私の腕では沈は免れない、というところがあるのだ。国道から見えたから知っているのだ。どうだ、まいったか、わはははは。ということで、水量が少ない左側を進む。水量が少ないとはいっても、梓川のように艇から降りなければならないことはない。

 この先に、左カーブで岩が少し絡んだ瀬があるが、問題なし。そのあとは、水量のある流れを選んで下っていっても大丈夫であろう。そして中州が終わり、再び一本の流れとなる。

 最後の難関は、田沢橋手前の比較的大きな瀬である。田沢橋からも事前に偵察できる。弱気になっている私は、流芯を外して下ろうとした。が、早くなっていく流れは、流芯へ流芯へと私を誘い、ピークの2m横を漕ぐことになってしまった。川底に岩が横たわっており、それが流れを複雑にしているのが見える。昨日沈した瀬よりはおとなしく、無事通過することができた。そして、300mで、ゴール。

 水量が多くないときには、梓橋をゴールにするようプランニングした方が10倍楽できるはずだ。この日のツーリングは疲れた。

 艇や濡れ物を堤防の傾斜に干して置いて、回送用に放置していた自転車でスタートに戻ろうとしたら、自転車の鍵がない! 確かさっき見かけたのに。どこかこの近くに落としているに違いない、と青ざめたままあっちこっち探し回り、10分後に、草むらで発見。危うく、10kmの道程を歩いて戻る羽目になるところだったので、一安心。

気が遠くなる (5856 バイト) えっちらおっちら自転車をこいでいると、やっぱりしんどい。自転車の回送はツーリング前にしておき、ゴール後に車で自転車を回収に行く方が、精神的には良さそうだ。堤防道路を延々走っていると、気が遠くなりそう。

 なんとか車にたどり着き、ゴールに引き返し、艇を回収した。

(おわり)