ごうのかわ | 広島県三次市(旧作木村)〜島根県美郷町(旧大和村) 一級河川 |
流域内人口密度 | 52人/平方キロ |
リアルタイム水位 | 都賀 05年のツーリング当日は0.33m |
駐車場 | カヌー公園上流 スロープ中段に10台 両国橋 上流右岸1台 下流左岸いくらでも(工事中でなければ) 石見都賀 バス回送だったので、ノーチェック! 上記の他、釣り師が川に出るためのスロープや階段が至る所にあり。 |
トイレ | カヌー公園 鉄道の駅 |
買い出し | 両国橋近くに商店か、カヌー公園のレストラン。後者では、簡単なカヌーギアも販売。 |
温泉 | たかみや湯の森(600円) |
ひとこと | 三次市から河口までに計2つのダム・堰堤があるのみで、ロングツーリングが可能な貴重な川。 水量次第で三次市中心部から漕げる。カヌー公園以降はいつでも水量があり、カナディアンも適している。 鮎釣り師は多い。 |
香淀〜両国橋 8.9km 1.8‰ |
鮎釣り師らしき方が3名いた。釣り師の後ろを回り込んで通り過ぎようとすると、どうみても鮎の友釣りの装備にしか見えなかったので、当人に聞いてみた。すると、昨日から解禁になった、とのこと。手元の情報によれば、江の川の解禁日は6/1になっていたのだが、それが早められたようだ。鮎解禁の翌日にツーリングとは、この先どれだけの釣り師と遭遇するのかを考えると、気が重くなった。たしか、カヌー公園から2.5kmの間はカヌー優先区間みたいなことになっていると、同公園に看板が掲げられていたはず。
釣り師のいない区間を堪能しようと、その間はあまり漕がないようにした。とはいえ、やたら瀞場が長いので、本当に漕がなければ翌日になってもゴールできない可能性さえある。
カヌー公園の下部には発電所の放水口がある。カヌー公園がこの周辺でカヌー体験をさせているので、それほど恐ろしい存在ではないのかもしれないが、
あまり近寄らないに越したことはない。この日も目に見えるほどの放水はなかった。
スプレーカバーにとんぼがとまった。艇のデッキにとまることはあっても、スプレーカバーのように目の前に着地されるのは初めてかもしれない。この人間の怖さを知らない、汚れなきとんぼに、平松愛理の『あなたのいた夏』を教えてあげた。これは人間界ではほとんど知られていない曲であるが、とんぼの世界では今後この名曲が大ブームとなるはずだ。
ツーリング途中、久しぶりに亀の甲羅干しを見かけ、ヤマセミも見た。この日の水質はいいとは言えなかったが、この辺りの自然の懐の深さのようなものをじんわりと感じられた。
区間後半、川岸から女の子が遊んでいるような声が聞こえた。姿を探しても見つからず、空耳かと思ったら、またどこからか聞こえてくる。でも見つからない。
しばらく頭の中が「?」で満たされていたが、国道のトンネル出口にその答えがあった。「このかけがえない自然を守るのは、あなた達ひとりひとりです。自然を守るのはあなた自身です。」みたいなことがスピーカーから女性の声で繰り返し流れていたのを、私が女の子の声と聞き違えたようだ。
この5〜6秒のメッセージが一分おきに流されているのだが、車を運転している人が聞き取ることができるとは、私にはとても思えない。かといって、自転車や徒歩で通り過ぎるヨソ者がどれだけいるというのか。この設備が必要だと思っている人は、日本中で10人も存在しないだろう。それでもこれが発案されたときには、
「さすが山ちゃん。目の付け所が違うねぇ。来年度の予算として要求してみるよ。まさかそんな手があったとは・・・ ねぇ、どこで思いついたのよ。」
「いやー、たまたまっすよ。部長ぉ。」
といったやりとりがあったことは想像に難くないのだ。山ちゃんが余計なことを思いついたばかりに、無駄な公共工事に税金が投入されてしまったのだ。くそー、山ちゃんめ・・・
左写真の奥にある瀬が右写真です。 |
さて、瀬の数は少なくて、レベルも低く、右の写真のものが最大。胸くらいまでの波があるが、コースを見極めて、加速を付けてゴー。ただし、岩に引っかかったりして沈脱すれば、このあとに続く瀬まで流されるだろうから、ちょっと疲れるかも。
鮎釣り師は結局10名。すべて、鮎釣り師の背後を回り込んでやり過ごしたが、右写真の瀬の中に釣り師が入り込んでいなかったのが救い。
鮎釣りのハイシーズンともなれば、ただでさえ数少ない瀬に釣り師が集中するわけであるから、ツーリングは厳しいものになるだろう。尺鮎で有名な川だし。
ゴールは前回のスタート地点である両国橋。上流右岸側にコンクリートのスロープがあり、ここで上がった。
石見都賀の少し下流に荷越瀬という瀬がある。8年前に「コレは難しくて下れん」と感じた瀬である。車を走らせて見てみたが、その感想は、”やはりソロでやるならポーテージ”。前回見たときと同じものである。
これを基準にするなら、この8年での私のテクニックの向上は見られないことになる。無念なり。
両国橋〜石見都賀 11.9km 1.4‰ |
ソロでのカヌーツーリングというのは少々大変である。スタート地点に自分の車を置いておき、カヌーで下流まで下り、ゴール地点に艇を隠し(組立式カヌー(ファルトボート)であれば、自分で担いでもいい)、公共交通機関でスタート地点に戻る、といった事が必要なのである。だから、電車が川に並行していると都合がいい事になる。江の川はその作戦を使える川なのだ。
両国橋をスタート地点に選んだ。この橋は、広島・島根の県境になっていて、橋の上流から漕ぎ下れば、越県ができる。しかし、口羽駅に近く、スタートしやすいのは、橋の下流側である。この川では、カヌーの回収が難しい。JRで3駅先の石見都賀付近でのゴールを予定していたのだが、列車の本数が極端に少ないのだ(1日4本)。午後イチの列車が16時34分・・・なんじゃそりゃぁ!
これでは、カヌーを回収するのが陽が落ちてからになってしまい、嬉しくない。バスを探すと、やはりありました。1日1往復。・・・
ナンジャソリャァ! 石見都賀駅の500m手前の都賀大橋にバスが14時43分。これを使うことに決定する。このバスに間に合わなければ、2時間待って電車、ということになる。
この手順を確認した後、スタート地点に戻り、ここに車を放置し、着替えてからツーリング開始。水の透明度は、水深3mくらいまで見通せて、河岸工事中のところもあったが、全般に人の手があまり入っておらず、風景も美しい。交通機関の本数にも現れているように、流域人口は少なく、正しい農村風景を見ることが出来る。
水量に関しては、満足できるレベルで、ほとんど底をすることはない。豚小屋の瀬といわれるところがある。左側の山腹に豚小屋があるのだが、右側の岩が張り出していて、流れがせばまって速くなっているだけで、波はあるものの、テクニカルではない。まっすぐに漕げばいい。ここ以外に瀬らしいところは無かった。ゴール直前にヤナがあるが、左岸を漕ぎ下りることが出来た。釣り人ゼロ、危険個所なし。
ゴール後、ツーリングに持参した服に着替え、バスに乗り込むことが出来た。バスの乗客は私の他にもう一名。バス料金が意外に高く、600円位もした。貧乏人の私は、持ち合わせが40円不足し、運転手さんに勘弁してもらったとさ。