海部川カヌーツーリング

かいふがわ 徳島県海南町
駐車場 地図上の黄色矢印には広い河原があり、2WDも駐車可。
不安なら川の駅に停める。
トイレ 川沿いに「川の駅」という清潔なトイレが点在している。
買い出し 下流部の町へ行かないとできなかったように思う・・・ 15分位?
温泉 ないかも。
ひとこと 本文中にもあるが、とにかく水質は抜群。
なんとしても汚さずに後世に残したい川である。
平常水位ではライニングダウンが必要になると思う。
鮎釣り師多数。

2001年8月

  この川の水質はキョーレツに素晴らしい。なんの数値だか忘れたけど、低値の方が水がきれいとされる指標がありまして、市販のミネラルウォーターを測ったら0.1〜0.3だったそうです。でもって、海部川の伏流水を水道水に利用している海南町の水を測ったら、これまた0.1だったらしい。つまり、海南町の水道からは市販の水に匹敵するようなものが溢れ出ているとも言えるわけで、その元となった海部川はとっても偉い、と言うことになるわけです、はい。 ←BODっぽい数値だけど、BODじゃないよん
 どの川でも同じだけど、川を汚してしまうことがないよう、特に気を付けてもらいたいと、切に願います。
 この川の美しさは、堰にも現れている。水が青く見える堰堰から吐き出される水は、空気を混ざり合い白く泡立つものであるが、この川では水色に見えるのだ。感動指数129である。道路から見える淵も、青く澄んでいる。これは、清流パドラーを自認する私としては、是が非でも来なければならない川であっただろう。

 この鮎釣りの期間中であっても、小川口〜若松の7kmは禁漁区となっており、その区間内であればカヌーが楽しめる。逆に、それ以外の区間は、かなりの密度で釣り師が竿を出しているので、時期によっては遠慮した方がいいかもしれない。
 今回のツーリングコースは樫瀬〜若松とした。
 ポンチョで着替えて、9時半にスタート。目の前の淵の美しさに見とれながら、ゆっくりと漕ぎ下る。流れはそこそこあるが、浅瀬も多く、ライニングダウンは何度か必要だ。景観は、川沿いに2車線の道路が通っており、あまりよくない。ただ、比較的アクセスが良いのに、これだけの水質が保たれているのは、素晴らしいとしか言いようがない。
川での洗車風景 1.5kmほど下ったあたりで、河原から川の中に、そのまま車が入ってきた。RV車ではなく、普通の軽トラである。何がしたいねん、と思っていると、バケツに水を入れて、おもむろに車の水洗いを始めた。すごい風景である。
 この下に堰があり、右岸からポーテージ。途中の親水公園のようなところに、地元のお爺さんが、堤防に腰をかけ、こっちを見ていた。「きれいな川ですねー」と話し掛けると、「きれいな川じゃろ。」と、誇らしげな声が返ってきた。地元に誇りを持てる人が羨ましい。私は加古川市に何の愛着も持ってないもんなー。
驚きの水質 このあと、一時的に川と道路が離れるが、右に回り込んだところに現れた淵の美しさに、私は言葉をなくした。もう形容のしようがない。この写真の驚きの水質2風景を目の当たりにしたときに、感動しない人はいないのだ。
 この水中写真を撮ったときに、防水ハウジングからポコポコ・・・と気泡が出てきた。買って間もないのにOリングに傷が付いたのか、と疑ったが、浸水はなさそう。念のため、水中写真はもうやめにした。
 この下にもう一箇所、今度は二段になっている堰があった。こちらは左岸からポーテージ。そして、また道路が横を走るようになり、やがてゴール。河原には多くの家族連れと、橋の下流には鮎釣り師。ここに艇やらパドルやらを放置して、車を取りに行くと、その間にイタズラされそうな気がしたので、艇を含めて一式を担いで自転車で戻ることにした。小型ダッキー・グモジュニアならではの芸当である。とはいえ、多少フラつきながらも、なんとか前に進むことができる程度。途中の草むらにグッズを隠して体ひとつで戻ろうかとも考えたが、こうなったら意地である。登り勾配がきついところでは自転車を押したが、平均時速8kmで、なんとか車まで戻って、撤収することができたのであった。
 カヌーで川を下り、カヌーを背負って、自転車で戻る。我ながらたいしたもんだ。新しいリバーツーリングのスタイルである。
 この先の段階はというと、自転車もカヌーに積んで川を下る、ということになるだろう。好きなところで撤収できるメリットはあるが、さすがにコレは、ちょっと辛いかも。

上流部(2001年9月)

 今度は2名の仲間と海部川にやってきた。今回は上流部を漕ぎ下るのだ。パートナーは、でくさんとまいろさんである。
 上流部には「瀬」と名前の付く地名が多く、前回の区間に比べれば、ややテクニカルであった。区間は、皆ノ瀬〜三ヶ尻である。
 200mも行くと、右への直角カーブが現れる。赤木川のレポートに、”面白そうな瀬には、一番に突入したい”みたいなことを書いたので、最近は、瀬になっているところでは、「ゴンさん、先頭行く?」と気を遣って聞いてくれるようになったのだ (^-^; そのお言葉に甘えることにした。ここでは、本流にそのまま乗っていくと、モロに岩肌に押しつけられそうだったので、途中からはインに寄って、漕ぎ抜けた。そのままエディで待機し、二人の写真を撮影。
 その少し下にも、瀬があった。遠目には、たいしたことはないチャパチャパといった波があるくらいに見えたのだが、先頭を行ったまいろさんの艇が、大きく跳ねているのを見ると、どうやらザブザブ級のようである。この瀬に入ってみると、大きな波が全身に体当たりしてきて、艇のスピードにブレーキが掛かり、頭上からの波もかぶった。ストッパーってやつかな。この川に、こんな箇所もあるとは予想外で、3人で「この川面白い」と大はしゃぎした。
 スタート直後に見たような右への直角カーブが、また現れた。左岸側のポケットには、エディもできている。カーブの入り口は比較的川幅があるのだが、右岸側に鮎釣り師がいたため、はじめから右に寄っておく訳にはいかない。釣り師を通過した後、急いで右に寄ったのだが、正面の岩にぶつかるところまで、押しつけられてしまった。見た目以上に流れが強かったようだ。誤って左のエディに入ってしまうと、まったくの初心者は艇に乗ったままでは出てこられないかも。
昼食の河原より この直後の河原が、いい感じだったので、上陸して昼食とした。
 でくさんは早速、シュノーケルを取り出して泳ぎ始めた。今日の水質は、前に来た時よりも濁ってはいるが、十分にキレイといえる。浜松に住むまいろさんなどは、「もう気田川なんて、汚くて漕げない」と冗談で口にするほどだ。川から戻ってきたでくさんの情報では、水に入れば濁ってはおらず、川底まではっきりと見える、とのことであった。ただし、水温は18℃しかなかったので、少々寒いようだ。

 食事とビールを終え、再び水上の人となった。この日は水量が多く、水が流れているため、完全な瀞場がない。パドルを動かすことが嫌いな3人(?)にはうってつけのコンディションであった。
岩絡みの瀬のでくさん この下に、なんとかっていう岩絡みの瀬があった。瀬の出口に、直前まで分からない隠れ岩があり、ファルトなら危ないかも、という雰囲気を醸し出していた。我々はポリ艇なので、問題なし。
 あとは瀬らしい瀬もなく、約7kmの行程を終えた。釣り師は多かったが、意地悪な人はいないし、瀞場も堰もなかったので軽快なツーリングであった。
 ん〜、いい川だ。

(おわり)