加古川 カヌーツーリング

かこがわ 兵庫県西脇市〜社町
流域内人口密度 474人/平方キロ
リアルタイム水位 板波
駐車場 寺内 河原にいくらでも駐車できたはず
闘龍橋 橋の下に10台程度
闘竜灘 観光用駐車場に
大門堰 いくらでも駐車できたはず
トイレ 闘竜灘にあり
買い出し R175ではなく、市街地を走れば何かある
温泉 滝野温泉ぽかぽ(600円) 混雑するけどいいところ
夢園温泉(1000円) 30tの一枚岩をくりぬいた露天風呂。閑散。
寺内〜闘龍橋  8.2km 2.3‰
闘龍灘下〜大門堰  6.6km 0.8‰
ひとこと 人口密度に比例して、水質は期待できない。のんびり向け。

2000年5月15日

 この川は、どのツーリングガイドにも載っていない。カヌーツーリングしたという話も聞いたことがない。とにかく私の家から一番近い川だから、ということで漕いでみたのだ。加古川に限らず、兵庫の川にはやたらと堰が多く、距離のあるコースがとれないのだ。区間は、滝野町〜社町の5kmで、下見は先週のうちに済ませてあった。このときには、思っていたよりも透明度があって、1mくらい下まで見えたのだが、当日は、前の日に小雨が降り続いたためか、いくぶん泥色に濁り、透明度は50cmくらいとなっていた。スタート地点
 まず、スタート地点に行き、カヌーとカヌー用品を下ろし、草むらに隠す。そして、ゴール地点に向かい、車をそこに放置して、ママチャリでスタート地点に引き返した。途中、河原に黄色い花が満開であったり、今時珍しい麦畑があったりして、なかなか面白かった。スタート地点に着くと、片隅の立て看板に自転車を固定し、防犯対策。
 ポンチョを使って着替えてから、スタート。闘龍灘の直下からである。この闘龍灘は、鮎の解禁日が5月1日で、日本一解禁が早いことで知られている。この日の闘竜灘では、5名くらいの太公望が竿をおろしていた。
 水の流れは、かなりゆったりとしている。無風であったのが、救いといえば救い。向かい風なら、漕ぐ気はしないだろう。今日使った艇は、L-1というポリ艇の、底部をちょっと加工したもの。私は密かに「L-1改」と呼んでいる。ポリ艇らしからぬ回転性の悪さの反面、直進性とスピードがあるので、この川には適しているのだ。
瀬1 1本目の橋をくぐって、150m下に、岩盤を削った、水路状の瀬がある。この川には、むかし、水運に使うために、このように岩を削ったところが、何カ所かあるのだ。闘竜灘にも、このような水路ができていて、こちらの方は、結構危なっかしい状態になっている。で、目の前にある瀬は、写真の通りで、下流側から見たものである。斜めに50cm落ち込んでていて、その先の水路の幅は2mで、かなり狭い。落ち込みで横を向くことがなければ大丈夫なはず、と考えて、クリア。r0100043.jpg (6821 バイト)
 このあとは、両側に木々が生い茂った風景へと変わる。鳥のさえずりが聞こえ、のんびりとした雰囲気で、水面を揺らすのは、自分一人だけ。加古川にも、こんな気持ちいいところがあるんだ、という気にさせてくれた。ただし、やっぱり流れはない (T_T)
 少しの間、アクセル全開で漕いでみた。「あ〜、しんど。」と一息つくと、川岸から”チャプチャプ”と音がした。それが、自分が作った波が、岸に到着した音だということを理解するまで、少し時間が掛かった。面白くなり、しばらく、ストップ・アンド・ゴーを繰り返して遊んだ。
 中国自動車道を過ぎると、ほぼ中間点だ。この先の静かなところで昼食を摂ろうと思ったが、それまでとは違い、護岸されていたり、ルアー釣りをしている人がいたりで、あまりいいところがなかった。その先のざら瀬を、この日唯一のライニングダウンしたあと、右岸に狭い河原を発見し、そこにいたアオサギを追い出して(というより、逃げた)、昼食とした。川に目をやると、先ほどのざら瀬をコサギが獲物を求めて(?)忍び足でヒョコンヒョコン歩いている。やっぱり川は心が安らぐのだ。
 この先も、相変わらず、漕がなければ進まない。5分漕がずに休んでいると、その間に進んだのは約5m。つまり、時速60mとゴール地点いうことになる。実は、この加古川は、日本一低い分水嶺をもっていて、そこの標高は95.5m。この川に落ちた落ち葉は大変である。河口まで何日掛かるのだろうか。
 このような流れのないところでは、カヌーを真っ直ぐに漕ぐことができず、右へ左へ、くるくる回ってしまった。カヌーを始めた頃から、技術的な進歩がないようで、少々落ち込んだ。
 昼食休憩から40分で、大門堰手前の左岸がゴール地点。右岸は7mくらいの切り立った崖になっており、まずまずの雰囲気。

 全体を通して、釣り人は10人くらい。川幅があって避けることができるし、瀬の中に糸を垂らしている人もいなかった。瀬は、写真で紹介したものが最大。他に数カ所、胸に水がはねる程度の波があった。
 今度加古川を下ることがあれば、もっと上流部を下ってみたいものだ。

2001年3月20日

 というわけで、前回のコースよりも上流の西脇市で漕いだ。
 前年の秋に下見したときには、黒田庄町〜滝野町までツーリング可能、と判断したのだが、この日は向かい風が強く、瀞場では苦労しそうであったので、距離を短縮して、西脇〜滝野を漕ぐことにした。闘竜灘のすぐ上流の橋の左岸に、回送用の折り畳み自転車を置いておき、スタート地点に車で向かった。いつも通りポンチョで着替え、スタート。
 今日はネットオークションで入手したパドルを初めて使ってみた。去年の夏以来のカヌーということもあってか、パドルが重い。そのうえこのパドルは、しなりも少なく、漕ぐのに疲れる。でも3000円という値段なら仕方ないか、とあきらめることにした。
 スタート後300mで最初の瀬。50cmの落ち込みが川幅一杯に広がっていて、どこから攻めようかと思案した。この程度の落ち込みなら、艇が横を向かない限り沈することはないと思うのだが、とにかく8か月ぶりのツーリングで、少々不安もあったのだ。かといって、瀬のない区間を下るのでは、物足りない。このさじ加減が難しいのだ・・・ そこで、沈せずそこそこ波を浴びそうなところを選んで、無事成功。そのすぐ下流の橋をくぐれば、左手には、日本へそ公園。ここは、日本に8箇所くらい存在する「へそ」の自治体が集まり、『第一回へそサミット』が行われた、由緒正しきへそなのだ。
瀬2 この正しいへそを過ぎれば、今度は小さな落ち込みだ。30cmが2段になっていて、流れも速い。ここは8か月振りだし・・・と自分に言い訳して、回避。この落ち込みの下で再乗艇するも、30m下流に、また落ち込み。左の写真は、それを下流側から見たところである。いちばん流れの強いところを通れば大丈夫そうであったので、そこを通過。
 このあとは、しばらくゆったりとした流れが続く。まだスタートしてから1kmくらいであるが、早くも尻が痛くなってきた。カヌーをサボっていたツケが早くも回ってきたようだ。それに、天気予報では午後から南風が強くなる、と言っていたし、急速にツーリングを続ける意欲が萎えてきた。ここはイッチョ休憩でもして、気持ちを立て直そうと思った。休憩ポイント
 右岸に狭い河原を見つけ、そこで休憩とした。いつも通りインスタントラーメンを作ろうとすると、なんてこった主役のラーメンを車に忘れてきたことに気づいたのだ。せっかく「南アルプスの天然水」とバーナーを持ってきたのに・・・ それ以外に持ってきた2個のコンビニおにぎりを食べて、空腹をしのいだ。
 再出発しようと艇を持ち上げると、結構な量の水が入っていた。もしやと思って艇の底を見てみると、案の定改造した部分に亀裂が入っていた。ここからジワジワ水が入り続けていたようだ。ガムテープで応急処置をしようにも、艇を乾かすのが面倒なので、そのまま出発。
 ・・・休憩をとったものの、やっぱり尻が痛い。ここはスタートから3km地点。ゴール予定地まで残り6km。向かい風も、スタート時よりも、明らかに強くなっている。「今日の体調では、とてもゴールまでは行けないよ。途中断念するなら、早く断念した方が、戻るのが楽だよ。川の水も汚くて、楽しくないでしょ。」と、もう一人の自分が耳元で囁いている。結局私は、この囁きに負けたのだ。上陸し、着替え、艇を草むらに隠して、シャツ・ジーパン・ネオプレーンのパドリングシューズ、という出で立ちで、スタート地点に向けて、トボトボと歩き始めたのだった。
 

2003年10月13日

 この日は、日置川のキャンプツーリングに誘われていたが、遠征する金がなくて諦めた。そこへ丁度Iさんから誘いがあり、車で1時間足らずの川にやってきた、というわけである。
 前回途中で断念したところをスタート地点に設定した。今日はIさんとふたりでのツーリングである。
二つ目の堰堤
 未明に25mmの雨が降り、20cm増水している。川は相当な濁りで、透明度は5cm程度しかなかった。
 国道175号線をくぐって500mで最初の堰堤。これは落差は30cmくらいで、中州寄りに行くと堰が崩れているのか、普通のザラ瀬のようになっている。
 橋をひとつくぐり、赤いJRの鉄橋の手前に、もうひとつ堰がある。丁度、杉原川が合流する辺りで、こちらの落差は80cm。右岸寄りにある中州からポーテージしたが、下見をしてからであれば、堰の左右両端から、ポリ艇で漕ぎ下ることも可能だと思う。
 JRの赤い鉄橋の下にブロックが入っていた。通常水位なら、少し注意した方がいいかもしれない。
 今日の区間での人工トラップはここまで。

平常水位の日に撮影。底を擦りそう。
 この次のコンクリート橋のたもとに若干落差があり、堰になっているのかと思ったが、シュートになっているだけで、そのまま通過した。この先に見える瀬は、岩が絡んでいる。波の大きさも胸くらいまであり、予想以上の波にちょっと嬉しくなった。川幅があるので、好みに合わせて好きなラインを選べるが、通常水位で はそうはいかない。参考までに、普段の状態の写真を掲載しておく(左の写真)。

 右岸から小さな支流が入ってきた。雰囲気が良かったので、ちょいと遡ってみた。流れが見た目以上にきつく、150mくらいで体力が尽きた。

 本流に戻って、あとは瀞場。幸いにも増水で流れがあることと追い風とで、苦痛はなかった。

 Iさんはどうやら「下見したガール」で、時々現れる小さな瀬を見つけるたびにIさんは下見をしたがる。ま、GIRLというには少々歳をとりすぎている感があるが、ここは目をつぶろう。

 ゴールの闘龍橋までの6kmは、所要時間90分であった。

 回送と片付けを終えたあと、闘龍灘を見学。ここはカヌースラローム競技の国体予選会場でもある。
(おわり)