川辺川〜球磨川カヌーツーリング

かわべがわ
くまがわ
熊本県相良村〜球磨村
流域内人口密度 73人/平方キロ (球磨川水系)  
リアルタイム水位 柳瀬(川辺川) ツーリング当日は  1.37m
人吉(球磨川) ツーリング当日は -0.83m
駐車場 廻(めぐり)観音の下流にある橋の下に10台
人吉城跡の前の中州にいくらでも
覚えてないけど、GOALでは河原に入れず、道路脇に停めたような気がする
トイレ 廻観音にあったかも
人吉の中州にあり
買い出し 人吉市街で
温泉 人吉中心部だけで30件以上が密集する
ひとこと 球磨川は日本三大急流のひとつ。大きな瀬はあるが瀞場も相当に長く、疲れる。
川辺川は清流で知られるが、現在川辺川ダムの建設準備が進められており、水質・水量の大ピンチ!

2002/8/12

廻神社〜球磨川合流 6.4km 2.7‰
川辺川合流〜球泉洞 23.0km 1.9‰

 なんてったって球磨川は、最上川・富士川と並ぶ日本三大急流の一つである。ついに決戦、という雰囲気だ。最近の私はブレイスが上手く入るようになり、そう簡単には沈しなくなっているので、実力試しでもある。
 メンバーは、くごさん、でくさん、月座さん、SANOさん、みやもーさん、うじさん、ゴンの7名。群馬〜兵庫に在住の、全員がバラバラの県からの参加である。

 スタートは、廻(めぐり)神社下流の橋から。メンバー中唯一のWWパドラーであるみやもーさんは、神社横の4級の瀬に挑んだ。パワーのある落ち込みの正面に、大岩が鎮座している。みやもーさんはライン取りをイメージし、写真係の私は下流の鮎釣り師に竿をあげてもらう交渉である。この鮎釣り師が、非常に意地悪であった。
 「なんで竿上げなあかんねん。わしらカネ払っとんねん。おまえらなんぼ払ったんや。」・・・きたきた。いつものパターンである。
 「遊漁代は鮎の養殖や放流に掛かった費用の負担やないか。カヌーは払う必要ないわ、ボケ! 川はお前らだけのもんやないやろ! 竿上げへんのやったら、折れても知らんぞ、コラ。」という内容のことを、あくまでも下手に出てお願いした。
 結局は竿をあげてくれたのたが、それなら最初から快く協力してくれた方が、お互い気持ちがいいのに・・・
 そもそも、みやもーさんのアルパインエントリーからして気に入らなかったらしい。釣り師からは下流側へ十分に離れたところで、1.5mの高さから飛び込んだのだが、「わしらに断りもなく・・・」という思いがあったらしい。ややこしい人だ。いままでで一番イヤな釣り師であった。

 で、みやもーさん。釣り師がいなくなった瀬に突入した。落ち込みはクリアしたが、その先に続く波の中でスターンを喰われ、何度か艇が立ち上がった。その度リカバリーで凌ぎ、下の岩も避け、見事に成功。

 その後、みやもーさんも私も他のメンバーに合流し、ツーリングスタート。

 近年は、川辺川ダムの建設の伴う濁りがあるらしいが、水量・水質共にまずまずで、瀬の大きさも2級程度で、不安はない。が、釣り師はやはり厄介だ。ひねくれ者が多く、はっきり言って、どこの川の釣り師よりも印象は悪かった。川辺川漁協に、「カヌーは我々の敵である」といった横断幕でも掲げてあって、毎朝全員でそれを唱和しているのではないかと疑ってしまうほどだ。

 休憩時には、人生で始めてのスイカ割り。そこら辺から探してきた竹の棒で、SANOさんが仕留めた。

 沈は一度だけ。瀬の出口に隠れ岩があり、それに気付いた私は、瀬に入る前にバックフェリーで軌道修正したのだが、視力に不安があるうじさんは、それに気付くのに遅れて、沈脱。運悪く、この瀬の下は釣り師が10人ほど連なっている場所で、なかなか岸に引き上げることが出来ず、大変であった。

 途中の橋で、15mくらいの橋から飛び降りて遊んでいるところがあった。それに触発されたのか、みやもーさんは3.5mくらいの岩からアルパインエントリーを披露。ギャラリーからも拍手喝采であった。

 で、球磨川に合流。急に川が臭いだした。瀬の水しぶきも泥色が混じっている。これがダムのある川とない川の違いなのかな。
 数百メートル下流に、大きな波が立っているところがあった。水量次第では岩絡みとなるようだが、この日は真っ直ぐな瀬となっていた。
 このあとは長い瀞場であったが、遠くで雷鳴も轟いており、そうそうゆっくりもしていられない。漕いで漕いで漕いで漕いで漕いで・・・ やっと人吉市街の中州にゴール。
 このキャンプサイトの横にある樹には、フクロウの巣があり、間近でそれを拝むことができた。

 この日は、疲れた身体を中央温泉で癒した。循環湯でもないのに濾過装置も備えていて、大腸菌の検出量はゼロであるらしい。日本の8名湯にも選ばれているとのこと。けど、こういった能書きがやたら多く、少々押しつけがましいようにも感じた。300円でシャンプー・石鹸なし。

2002/8/13

 二日目。区間は昨日の続きから球泉洞の辺りまでである。
 この日みやもーさんは、なんと朝練。6時頃から1時間以上小さなウェーブで遊んでいた。すごいというか、変というか・・・
 この日は最初から瀞場が連続する。日本三大急流が聞いてあきれるぜ、まったく。というような雰囲気。途中で「からし蓮根」の看板を見つけ、くごさんとでくさんが上陸して買い出し。川の上でビール片手にそれを食すが、結構辛い。観光客用の味付けではなく、地元の方の味覚に合わせている商品らしいのだ。このからし蓮根の看板には要注意である。

 遊船が運行されているのは渡(わたり)から。その手前の橋の下で昼食にした。せまい日陰に7人が密集する。ハエもまた密集していた。上手い例えが思いつかないけど、とにかく凄かった。

 さて、いよいよ渡以降の球磨川のハイライト区間である。気合いを入れ直したが、まだまだ瀞場は続く。いくら水量が少ないからとはいえ、少々大人しすぎる。遊船が近づいてきたので進路を譲ったが、遊船の客も退屈なのか、全員が無表情で、目が死んでいた。

 いくつかの2級程度の瀬のあと、いよいよ二股の瀬。中州のあとの合流波が、大きな波を形成している瀬である。クラスは4級と言われている。でもこの日は、道路から下見したときには問題がありそうには思えなかった。岩にも絡まない真っ直ぐな瀬である。
 私が一番に挑戦した。頭上の大きな波が4発くらい。その真ん中あたりで、水圧に耐えられず、スプレーカバーが外れた。ネオプレーンなのに・・・ 沈はしなかったけど、もちろん内部は水浸し。他にもスプレーが外れた人がいた。そっちはナイロン製であったが・・・ 全員無沈。

 クライマックスを終え、安心していると、また大きな瀬。二股よりも大きい。またもやスプレーが外れた。一体どうなってるんだ?
 ここも全員乗り切ったが、SANOさんのカナディアンは完全に水船。ガンネルまで水が入った状態で、SANOさんが「さてどうしたものか・・・」といった様子で、目の前を流されていった。水出しで上陸していた私が、スローロープを投げればよかったのだが、そのときは思いつかず、カウテールで引っ張ることしか頭になかった。水没しかけのカナディアンをカウテールで引っ張るというのも、今考えれば無茶な話であるが。
 SANOさんがロープ片手に自ら岸に泳ぎ着き、艇を回収して、水出し。

 このあとは瀬もなく、ゴール。
 抜きつ抜かれつ下ってきた3人乗りダッキーがいたのだが彼等は、二股の瀬の直前で沈し、体ひとつでこの瀬を抜けてきたらしい・・・

 昨日も一昨日も泊まったキャンプ地に、また泊まった。この日は新温泉。昭和6年に建てられた建物のままで、備品も全てレトロチック。体重計には尺貫法の単位も併記してあった。温泉名とのミスマッチがすごい。300円で、シャンプー・石鹸なし。

(おわり)