木津川カヌーツーリング

きづがわ 京都府笠置町〜木津町
流域内人口密度 6892人/平方キロ (淀川水系)  
リアルタイム水位 有市
駐車場 沈下橋 公営の駐車場に 500円
笠置の河原にいくらでも 一日200円
泉大橋 橋下に停められたこともあったが、進入路が封鎖されている場合もある
トイレ 笠置の河原
買い出し R163沿いにコンビニあり
温泉 わかさぎ温泉(1000円) 料金に躊躇ってしまうが、他に温泉がないのでやむを得ない・・・
笠置館で温泉に入れたこともあったが、最近は温泉だけの利用というのはやっていないらしい。
ひとこと 誰がなんと言おうと清流ではないが、カヌーデビューを飾るには適した川である。
電車が並行して走っている為、ファルトボートも多く見かける。

笠置〜泉大橋 (2001年10月8日)

笠置〜泉大橋  12.5km 1.1‰
沈下橋〜笠置  2.7km  3.0‰

 えー、木津川というのは、大阪湾に注ぐ淀川の支流でして、笠置より下流は難しい瀬もなく、カヌーツーリングのメッカとなっているところなんですわ。何を隠そう(隠したこともないけど)、私のリバーツーリング初体験もこの川で、フジタカヌーの体験レッスンを受けたんです。そのときから数えて、今回が4回目の木津川ツーリング。
 本日のメンバーは8名。 

 私は前日に漕いだ板取川から、メンバーが先着している笠置の河原へ、22時に駆けつけた。この河原は、キャンパーでごった返し、焚き火のための流木を探すのは事実上不可能なのだが、工務店に勤務するのメンバーがいるので、薪には事欠かなかった。建築廃材がてんこ盛りなのだ。この夜は、キャンプのみ参加の朝日の新聞記者まで加わって、午前1時頃まで歓談していた。

 さて翌朝。うじさんの友達・たけちゃんも合流。食事を済ませ、回送部隊が回送に行っている間に、ファルト組は艇の準備。スタート地点は、橋の上流側である。建築設計士の藤岡センセは、この日がカヌー初体験。まずは静水域での練習である。艇の乗り降りと、漕ぎ方を説明したら、センセは誰もいない方へ独りでグイグイ漕ぎ始めた。月座さんが叫んで制止しようとも、もうセンセは誰にも止められないのだ。もうこれだけ漕げれば大丈夫、ということで、ツーリング開始。

 カヌー部の第一回目の活動も、同じく木津川だったそうだが、そのときは松井さんが、スタート直後のキャンプ地の前で沈をしたらしい。今回も誰かが沈をする可能性があるので、瀬の下、コースから外れた右岸側で待機しておいた。すると、最初に下ってきた人は、私のいる方が本流だと思ったのか、何人かは、私の横をすり抜け、浅瀬へ向かっていった。結果はやはり、ライニングダウンである(写真)。松井さんは、今回は沈こそしなかったものの、岩に引っかかり、座礁した。このとき、漕いでいる松井さんに月座さんが言ったのは、「なんで岩の方にばかり行くの!ばか!」。 ・・・松井さんは月座さんの会社の上司であり、月座さんの考課ポイントが下がったのは、言うまでもない。「上司に向かって馬鹿はないよなぁ」と後々までボヤかれていた (^-^;
 ここを抜けると、左カーブの、瀬が待っている。本流に乗って漕ぐと、右岸側の岩にぶつかるので、早めにインコースに移り、漕ぎ抜けなければならない。今度は月座さんが下流で待機。上流を向いてとどまり、漕ぎ下ってくる人にコース取りを指示している。私は最後尾から付いていったので、はっきりとは見えなかったのだが、山崎さんが、右の岩に引っかかって沈脱したようだ。山崎さんは、すぐに河原に上がって着替えた。カヌー経験の浅い人は皆、沈に備えて着替えを持参していたのだ。
 このあとも、水量が少ないために、コース取りを間違えるとライニングダウンの刑が待っているが、瀬と言える箇所は、もう無い。ただ、瀞場にも流れがあり、ムキになって漕がなければならない、ということもなかった。ひたすら、ビールを飲み、浅瀬に向かっているようなら進路を変更する、というだけののんびりツーリングだ。
 水質は、今までイメージしていた木津川よりはキレイであったが、水深1.5mのところで撮った水中写真は、真っ茶っ茶。でも、カワセミがいたんですわ。これは、川の宝石といわれる美しい鳥で、清流のバロメーターともなるのだ。木津川にも住み着いているとなると、カワセミも堕ちたもんだなぁ、と感じてしまう。

 さて昼食。適当な河原で、買い出し班に買ってきてもらったコンビニおにぎりを頬張ったが、これが寒いのなんの。艇に乗っていたときには、少なくとも下半身は風を受けず、小春日和の午後3時、という趣があるのだが、その小春日和なんぞ吹き飛んでしまった。今年のカヌーシーズンに、終わりが近いことを示唆しているようだ。とりあえず食べるだけ食べて、ほとんどくつろぐこともせずに再出発した。

 30分ほど漕ぐと、大きな中州があり、ここでは左岸側が本流となっているような気配。ただ、左岸の岸から枝が垂れ下がっており、その下は漕げるほどの空間が無く、かといって枝を避けすぎると、中州側の浅瀬に乗り上げる、というような状況だ。ここでカヌー初体験のセンセが、無理矢理に枝の下を抜けようとして、なぜか枝を掴んでしまい、沈脱。それを見た松井さんは、とっとと艇から出て、ライニングダウンの準備。ここはうじさんのように漕ぎ抜けなければならないのだ。実は沈脱の瞬間を狙ってカメラを構えていたのだが、うじさんは模範演技を示してくれたのであった。
 沈した藤岡センセは、この河原で着替えを済ませて、さあ再スタート、と思ったら、今度は乗り沈。残念ながら、写真は取り損ねてしまった (^^ゞ

 あとはゴールの泉大橋まで、なんもなし。長い瀞場があるだけである。

 泉大橋は、以前は車で橋の下まで入って、そこでカヌーを積むことが出来たのであるが、なぜか今回は、入り口が建設省の立入禁止ゲートで塞がれている。国土交通省のゲートではないところがポイントである(そうなのか?)。
 土手に停めた車まで、みんなで艇を運びあげ、荷台に積んだ。今回は回送用に、ピックアップトラックを使った。荷台に7台ものカヌーを載せてしまうのだ。『サラリーマン転覆隊』のような雰囲気を醸し出しているかも。

 このあとはスタート地点に戻り、みんなで温泉。笠置に数年前に出来たわかさぎ温泉は、入浴料1000円と、ちょっと高い。

上流部 (2003年4月29日)

 上流部といっても、あまり上の方は発電に水を取られ、水量がない。発電所で水が戻ってきて、その下に4mの堰。それ以降は堰もなく、長距離を通してのツーリングが可能となる。
 堰下の沈下橋をスタート地点に選んだ。ゆったりとした川相に一変する笠置までは、わずか2.4km。でも、書籍では中級者以上のパドラー向けとなっている、なかなかあなどれない区間なのだ。国土地理院発行の25,000分の1地形図を見れば、川の中に岩がゴロゴロしている様子が見てとれ、恐怖感と興味を抱くことになるはずである。
 このスタート地点では車を有料駐車場(1日500円)に入れるしかない。ただし係員がおらず、この日はたまたま無料で停められた。

 しばらく瀞場が続くが、国道のトンネルに差し掛かるあたりから要注意。ストレートな瀬であるが、波は胸くらいまでのものが連続する。その300m下にも同様な瀬がある。

 その次がこの区間のメインで、「七曲がりの瀬」などと呼ばれているようだ。ココでは遠くからでは瀬の入り口さえも全く分からないため、大きな波が見えるよりは、恐怖心が薄かった。
 コースは右から入って左・右にクランク状に曲がっていた。最初の左折は、波が正面に直撃していたので、イン寄りにコースを取った。すると内側には強いエディがあり、上流側に倒されそうになり、ローブレイス。なんとか持ちこたえて右折。最後に50cmの落ち込み。その下は瀞場である。私は瀬の下で右岸のエディに入り、後続の松井さんを待った。
 大きな岩が邪魔で、松井さんの様子を伺い知ることができない。が、パドルが垂直に立ち上がったのが見えた。普通に漕いでいると、パドルが立ち上がることはないので、これは沈を意味する。松井さんの沈は、イコール沈脱である。「うひひ。やりおったわい。」
 岩陰からひっくり返ったACEと、パドルを握りしめた松井さんが現れた。流出した荷物を確保し、艇と松井さんを川岸に引っ張った。
 このあと笠置でほかの5名と合流するのだが、松井さんはずぶ濡れで対面を果たすことになったのだ。

 笠置以降の区間は、前回のレポートを参照のこと。たいして注意すべきところもない(はず)。

(おわり)