きづがわ | 京都府笠置町〜木津町 |
流域内人口密度 | 6892人/平方キロ (淀川水系) |
リアルタイム水位 | 有市 |
駐車場 | 沈下橋 公営の駐車場に 500円 笠置の河原にいくらでも 一日200円 泉大橋 橋下に停められたこともあったが、進入路が封鎖されている場合もある |
トイレ | 笠置の河原 |
買い出し | R163沿いにコンビニあり |
温泉 | わかさぎ温泉(1000円) 料金に躊躇ってしまうが、他に温泉がないのでやむを得ない・・・ 笠置館で温泉に入れたこともあったが、最近は温泉だけの利用というのはやっていないらしい。 |
ひとこと | 誰がなんと言おうと清流ではないが、カヌーデビューを飾るには適した川である。 電車が並行して走っている為、ファルトボートも多く見かける。 |
笠置〜泉大橋 12.5km 1.1‰ |
沈下橋〜笠置 2.7km 3.0‰ |
えー、木津川というのは、大阪湾に注ぐ淀川の支流でして、笠置より下流は難しい瀬もなく、カヌーツーリングのメッカとなっているところなんですわ。何を隠そう(隠したこともないけど)、私のリバーツーリング初体験もこの川で、フジタカヌーの体験レッスンを受けたんです。そのときから数えて、今回が4回目の木津川ツーリング。
本日のメンバーは8名。
私は前日に漕いだ板取川から、メンバーが先着している笠置の河原へ、22時に駆けつけた。この河原は、キャンパーでごった返し、焚き火のための流木を探すのは事実上不可能なのだが、工務店に勤務するのメンバーがいるので、薪には事欠かなかった。建築廃材がてんこ盛りなのだ。この夜は、キャンプのみ参加の朝日の新聞記者まで加わって、午前1時頃まで歓談していた。
さて翌朝。うじさんの友達・たけちゃんも合流。食事を済ませ、回送部隊が回送に行っている間に、ファルト組は艇の準備。スタート地点は、橋の上流側である。建築設計士の藤岡センセは、この日がカヌー初体験。まずは静水域での練習である。艇の乗り降りと、漕ぎ方を説明したら、センセは誰もいない方へ独りでグイグイ漕ぎ始めた。月座さんが叫んで制止しようとも、もうセンセは誰にも止められないのだ。もうこれだけ漕げれば大丈夫、ということで、ツーリング開始。
カヌー部の第一回目の活動も、同じく木津川だったそうだが、そのときは松井さんが、スタート直後のキャンプ地の前で沈をしたらしい。今回も誰かが沈をする可能性があるので、瀬の下、コースから外れた右岸側で待機しておいた。すると、最初に下ってきた人は、私のいる方が本流だと思ったのか、何人かは、私の横をすり抜け、浅瀬へ向かっていった。結果はやはり、ライニングダウンである(写真)。松井さんは、今回は沈こそしなかったものの、岩に引っかかり、座礁した。このとき、漕いでいる松井さんに月座さんが言ったのは、「なんで岩の方にばかり行くの!ばか!」。 ・・・松井さんは月座さんの会社の上司であり、月座さんの考課ポイントが下がったのは、言うまでもない。「上司に向かって馬鹿はないよなぁ」と後々までボヤかれていた
(^-^;
ここを抜けると、左カーブの、瀬が待っている。本流に乗って漕ぐと、右岸側の岩にぶつかるので、早めにインコースに移り、漕ぎ抜けなければならない。今度は月座さんが下流で待機。上流を向いてとどまり、漕ぎ下ってくる人にコース取りを指示している。私は最後尾から付いていったので、はっきりとは見えなかったのだが、山崎さんが、右の岩に引っかかって沈脱したようだ。山崎さんは、すぐに河原に上がって着替えた。カヌー経験の浅い人は皆、沈に備えて着替えを持参していたのだ。
このあとも、水量が少ないために、コース取りを間違えるとライニングダウンの刑が待っているが、瀬と言える箇所は、もう無い。ただ、瀞場にも流れがあり、ムキになって漕がなければならない、ということもなかった。ひたすら、ビールを飲み、浅瀬に向かっているようなら進路を変更する、というだけののんびりツーリングだ。
水質は、今までイメージしていた木津川よりはキレイであったが、水深1.5mのところで撮った水中写真は、真っ茶っ茶。でも、カワセミがいたんですわ。これは、川の宝石といわれる美しい鳥で、清流のバロメーターともなるのだ。木津川にも住み着いているとなると、カワセミも堕ちたもんだなぁ、と感じてしまう。
さて昼食。適当な河原で、買い出し班に買ってきてもらったコンビニおにぎりを頬張ったが、これが寒いのなんの。艇に乗っていたときには、少なくとも下半身は風を受けず、小春日和の午後3時、という趣があるのだが、その小春日和なんぞ吹き飛んでしまった。今年のカヌーシーズンに、終わりが近いことを示唆しているようだ。とりあえず食べるだけ食べて、ほとんどくつろぐこともせずに再出発した。
30分ほど漕ぐと、大きな中州があり、ここでは左岸側が本流となっているような気配。ただ、左岸の岸から枝が垂れ下がっており、その下は漕げるほどの空間が無く、かといって枝を避けすぎると、中州側の浅瀬に乗り上げる、というような状況だ。ここでカヌー初体験のセンセが、無理矢理に枝の下を抜けようとして、なぜか枝を掴んでしまい、沈脱。それを見た松井さんは、とっとと艇から出て、ライニングダウンの準備。ここはうじさんのように漕ぎ抜けなければならないのだ。実は沈脱の瞬間を狙ってカメラを構えていたのだが、うじさんは模範演技を示してくれたのであった。
沈した藤岡センセは、この河原で着替えを済ませて、さあ再スタート、と思ったら、今度は乗り沈。残念ながら、写真は取り損ねてしまった
(^^ゞ
あとはゴールの泉大橋まで、なんもなし。長い瀞場があるだけである。
泉大橋は、以前は車で橋の下まで入って、そこでカヌーを積むことが出来たのであるが、なぜか今回は、入り口が建設省の立入禁止ゲートで塞がれている。国土交通省のゲートではないところがポイントである(そうなのか?)。
土手に停めた車まで、みんなで艇を運びあげ、荷台に積んだ。今回は回送用に、ピックアップトラックを使った。荷台に7台ものカヌーを載せてしまうのだ。『サラリーマン転覆隊』のような雰囲気を醸し出しているかも。
このあとはスタート地点に戻り、みんなで温泉。笠置に数年前に出来たわかさぎ温泉は、入浴料1000円と、ちょっと高い。
上流部といっても、あまり上の方は発電に水を取られ、水量がない。発電所で水が戻ってきて、その下に4mの堰。それ以降は堰もなく、長距離を通してのツーリングが可能となる。
堰下の沈下橋をスタート地点に選んだ。ゆったりとした川相に一変する笠置までは、わずか2.4km。でも、書籍では中級者以上のパドラー向けとなっている、なかなかあなどれない区間なのだ。国土地理院発行の25,000分の1地形図を見れば、川の中に岩がゴロゴロしている様子が見てとれ、恐怖感と興味を抱くことになるはずである。
このスタート地点では車を有料駐車場(1日500円)に入れるしかない。ただし係員がおらず、この日はたまたま無料で停められた。
しばらく瀞場が続くが、国道のトンネルに差し掛かるあたりから要注意。ストレートな瀬であるが、波は胸くらいまでのものが連続する。その300m下にも同様な瀬がある。
その次がこの区間のメインで、「七曲がりの瀬」などと呼ばれているようだ。ココでは遠くからでは瀬の入り口さえも全く分からないため、大きな波が見えるよりは、恐怖心が薄かった。
コースは右から入って左・右にクランク状に曲がっていた。最初の左折は、波が正面に直撃していたので、イン寄りにコースを取った。すると内側には強いエディがあり、上流側に倒されそうになり、ローブレイス。なんとか持ちこたえて右折。最後に50cmの落ち込み。その下は瀞場である。私は瀬の下で右岸のエディに入り、後続の松井さんを待った。
大きな岩が邪魔で、松井さんの様子を伺い知ることができない。が、パドルが垂直に立ち上がったのが見えた。普通に漕いでいると、パドルが立ち上がることはないので、これは沈を意味する。松井さんの沈は、イコール沈脱である。「うひひ。やりおったわい。」
岩陰からひっくり返ったACEと、パドルを握りしめた松井さんが現れた。流出した荷物を確保し、艇と松井さんを川岸に引っ張った。
このあと笠置でほかの5名と合流するのだが、松井さんはずぶ濡れで対面を果たすことになったのだ。
笠置以降の区間は、前回のレポートを参照のこと。たいして注意すべきところもない(はず)。
(おわり)