おおうちやまがわ | 三重県大内山村 |
流域内人口密度 | 152人/平方キロ (宮川水系) |
リアルタイム水量 | 岩出 ←宮川本流の観測所です |
駐車場 | START 行き止まりにある老人福祉施設(?)の近くの道路脇に5台程度。 トイレのある堰に駐車場あり。 GOAL 忘れた。 |
トイレ | 途中の堰の右岸側にあり |
買い出し | ? |
温泉 | なし |
ひとこと | 堰だらけで水量もなく、川に張られたロープも邪魔だし、とてもお勧めできるものではない。 |
小川口〜松原 5.7km 5.4‰ |
大内山川は宮川の支流である。
大内山村の松原に落差2mの堰があり、その上の区間を漕ぐことにした。上流に向かって、スタート地点を探すと、堰があるわあるわ。国土地理院の地形図に載っていないのがてんこ盛り。それをどうやって回避するかを考えながら下見しつつ、上流へ向かい、スタートは小川口とした。7kmほどの行程である。
私以外の月座さん・松井さん・田畑君は、今シーズンの初漕ぎである。
いやー、緊張するねぇ、などと言いながら、行き止まりの道路で車座になってビールを煽る。なにも、パドリングジャケットやスプレーカバーをつけた苦しい状態で和まなくても、と、いつも思うのだが、これがのんびりパドラーの悲しき習性である。
通りがかった地元の方によれば、「ここでカヌーをするのは初めて見た。」「こんなに水があるのは珍しい。」とのことで、この好条件の中、我々が大内山川の歴史に残る偉業(?)を成し遂げようとしているのだ。その責任は重大である(こともない)。
集合から3時間も経過した12時に、ようやくスタート。瀬の脇にある写真手前のエディから出艇。
と思ったら、300m先に早くも一つ目の堰が登場。下見では気が付かなかった堰である。落差は1m。上陸して確認すると、一箇所だけ堰が切れているところがあり、そこから下りられそうだ。右下に岩があるが、本流に乗って下れば問題はなさそう。先に下ってみると、全然問題なし。それを確認した他の三人も、難なくクリアした。ご褒美に3人とも写真を掲載しちゃうぞ。みんなそれぞれにサマになっていた。
田畑君 | 月座さん | 松井さん |
次の堰は斜度20°のスロープ状で、その上を流れている水の深さは5cm。スロープの上に乗っても押し流してくれず、手で押し出したりして、ブレーキが掛かりながらの、ソフトランディング。その次の堰も、全く同様。
その後、13時からの14時頃まで昼食休憩。ここまでの距離、2km足らず。このペースじゃ、やばいんじゃないの?と思ったが、みんなにはナイショ。
再び漕ぎ出し、次の目標はトイレのある堰、というより、トイレ。
この川は、道路が離れたところでは、なかなかいい風景を見せてくれもした。
普段は岩が露出していて漕げないようなところでも増水のお陰で漕ぐことができ、ライニングダウンの必要のないのが有り難い。ただ、それらは隠れ岩となり、幾度となく沈を披露させてくれ、当人以外にとっては、こちらもなかなかの風景であった。
さて、トイレの堰。落差1.5mの絶壁で、ここは漕いで下るわけにはいかず、全員ポーテージ。左岸側から無理して下ろせないこともないし、左岸をぐるっと回って50m下からも出艇できる。トイレは右岸側。
一息ついて出発。時間は15時30分。残りがまだ4割くらいあることを月座さんに告げると、部長という立場上あせったのか、先頭に立ってグイグイ漕ぎ始めた。
この川では、鮎の仕掛けを川に渡したロープから吊り下げており、水面上2mくらいのところにヒモがある。それを目立たせるために、水田に張るキラキラのヒラヒラが、10mおきくらいにぶら下がっている。が、中にはヒモが垂れ下がっているものがあり、水面上50cmくらいのものもある。これが瀬の中で、先頭を行く月座さんを捉えた。彼女はなにやら言葉にならない叫び声を放ち、ヒモを押し切った。漁師さんには悪いけど、不可抗力ですので・・・
大内山川にはこのようなトラップがあり、ちょいと危険な川である。視力が弱い人は、漕ぐのはやめた方がいいと思う。
このあとは長い瀞場が続き、また堰。左側の堰の切れ目から落ち、休む間もなく下の瀬に飛び込んでいくことになる。その最後にはストッパー。誰かが沈する可能性が高いと思い、カメラも構えずにその脇で待機していたが、全員無事通過。うーむ。写真を撮ればよかった。
最後の堰は、階段状の魚道がついており、そこを下りてみた。
水量は十分で、一段下りるごとにストッパーになっており、バウを沈められる。パドルを入れるだけの幅もなく、大いに焦る。一番下では、おそらくカヌー全体を水面下に押さえつけられたことだろう。途中で横になっていたらと思うと、ゾッとする。他の3人にはポーテージを勧めた。
この先には下見の時に確認した中で、岩絡みの最も大きな瀬があり、いい加減お腹一杯になった我々は、残り1kmであったが、ここでツーリングを断念した。
全員で歩いて下流の車まで行き、着替え、回送を始めた。
この日の沈脱は2名・4回。堰越えがあまりにも多いし、ロープは邪魔。瀞場に流れがあって、その点は楽であったが、これを差し引いても、ちょっと大変なツーリングであった。
ただ水質は見事で、30時間で50mmもの雨が降り続いた翌日であることを感じさせることはなかった。
あ、そうそう。カワセミ2羽と、カメが5匹。これだけのカメを確認できたのは初めてで、自然の濃さの現れかも。それと、鮎の友釣りシーズンには釣り師が大勢押し寄せてくるので、6〜10月に漕ぎに行くのはやめた方がいいかな。
このあと立ち寄った温泉は、ちょっと遠いけど、飯高町のホテル・スメールに併設された奥香肌温泉。700円でなかなか豪華な温泉に浸ることができて、満足。
(おわり)