はじめての川


フィールドを開拓するときの情報収集のしかたです。

事前の河川情報収集

手段 インターネット
  ・ツーリングレポート
  ・ウォッちず(国土地理院の電子地図)
  ・Google MAP(衛星写真)
関連書籍
国土地理院の地形図(350円程度・耐水性の紙でできている)
知人に聞く
カシミール3D
など
確認箇所 ダムや堰の有無
川の雰囲気(渓谷か平野部を流れるのか)
川にエントリーできそうな地点
発電等に取水されていないかどうか
水位観測所のデータ
カシミール3Dがあるなら、河川の傾斜
当日の天気予報・気温
公共交通機関での回送であれば、その時刻表
 川岸の茶色のギザギザは岩で、この区間は渓谷部であることを示しています。
 さらに、滅多にないけど、上図のような川の中に岩の記載のある川を漕ぐのは、相当な覚悟がいります。
 さらにさらに、川に並行した道路がなく、事前の下見が不可能。この区間を漕ぐのは命がけかも。
 ダムで取水され、AからBの間は導水管(青の点線)を水が流れ、Bの水力発電所でひと仕事して川に水が戻ってくる例です。

 B以降はもとの水量に戻りますが、A〜Bは他の区間よりも水量が少ないことが予想されます。


 インターネット発達前からツーリングを楽しんでいた友人は、書籍等で危険個所を調べ、購入した地形図にそれを書き込んでツーリングに持参したそうです。
 私は、地形図を置いている図書館に行き、それをA3コピーして、河川部分をマーカーで色づけしたものを使っていました。最近では、カシミール3Dで国土地理院の地形図をインターネットから読み込んで、それを印刷し、さらにラミネート加工したものを使用しています。→→→

 

現地での河川情報収集

川を観察する ◎ 道路や橋から、できるだけ多く川を見て、堰や瀬などの注意箇所・水量・エントリーポイントを確認し、スタートとゴールを決定する。渓谷が深くて車中から確認できない場合、折り畳み自転車を使っての事前偵察が必要な場合もあります。     
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かなり珍しいケースですが、地図上では大河であっても、左のように川が涸れている場合もあります。

      (出雲市の斐伊川にて 5月)

◎ 地図にある堰はすべて記載されているわけではありません。国土地理院の地形図であっても、25000分の1縮尺には載っていても、50000分の1縮尺の方には載っていない小規模な堰というのが多々あります。経験上、落差2m以上のものになると記載漏れはないようです。ただし、地形図の更新は10年以上のスパンなので、ごく最近建造されたものについては記載されていないことがある為、要注意。
左図のように川幅が急に狭くなっている場合、
そこに堰がある可能性が高まります。

◎ 公共交通機関利用の場合は、現地でもその時刻表を確認する。
地元の方に聞く 見ず知らずの方に話しかけるのは、日本人にとってはかなり抵抗のあることですが、カヌーを物珍しそうに眺めている人には勇気を持って話しかけてみましょう。新たな情報を得られなくても、これから始まる冒険に深みがでます。そーゆーもんです。
川を下る 道路から川の全体を見られることはまずないので、川を下りながらも五感をフル動員して慎重に。特に堰。川を下りながら、前方の水面が不連続な感じがすれば、堰の可能性あり。多くの場合は瀬のような音がするものの、堰の前後に瀬があった場合は音で聞き分けるのは困難なこともある。当方は落差1mの堰に転落したことがありますが、流れが強くなくともずいぶん怖い思いをしました。

 
 はじめての川を下るのは、ドキドキでありワクワクでもあります。おおよそのツーリング区間を決め、スタート・ゴールを決定するまでにやたら時間が掛かったり、また、想定していた区間が、いざ現地に行ったら水量が少な過ぎたり、難易度が高すぎたりで漕がずじまいということも多々あります。
 でもそれを成し遂げたとき、達成感となって心の栄養となります。苦労だらけで、爽快感なんて全く感じられないようなツーリングも、あとになれば楽しい思い出に置き換わったりします。でも知人に連れて行かれた苦労だらけの川では、そうはいきません。「もうあの川行きたくない」となるだけです。どの区間を漕いだのかさえ覚えていないこともあるでしょう。自分でツーリングをプランニングするということはそれだけ偉大なことであり、パドラーとしての経験値を大いに高めてくれるはずです。頑張ってください。
でも、くれぐれも無理はしないで下さいよ。

 未知のフィールドを開拓した暁には、当方にお教えいただければ幸いです。当方にとっておきの情報があれば、そのお礼にお教えいたしますよ。